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でぃふぇぜろにっき

弐寺に偏った日常の、ケイナさんと親友コンビに偏った記録な感じ。

2024'05.02.Thu
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2009'10.03.Sat
バーでしっとり飲んでるユーズ大好きコンビ。

勝ったら恋人になってあげる、だなんて傲慢な言葉は。
それでも素直になれない私の限りなく精一杯で。
がむしゃらに挑んでくる男達、その中の誰に宛てた言葉かなんて、わかっても良さそうなものなのに。
……挑んできてくれるその姿に、ほんの少しだけ期待を抱いたりもしていたのに。


「……鈍いのもあそこまで行くと犯罪よね」
カクテルのグラス片手に、ため息一つ、肩を落とす。小さなテーブルの向かい側に座った識が、いつも通りの優しい表情で苦笑を返した。
「師匠のあれはもう、子供がそのまんま大人になったようなものだから」
「それにしたって、最近は小学生だってもう少し色気づいてるわよ」
グラスの氷を少し揺らして、思い浮かぶのは愛しい妹の友人達のことだ。
「確かに」
それは識も同じようで、笑い声と肯定が返ってきた。
ああ、幼い彼らのつたない感情表現を、あいつは優しい目で見守っていたんだっけ。背伸びしたがる彼らのことを、時には叱り、時には励まして。
「……それなのに、ちゃんと大人だから腹が立つのよ」
なんだかんだ言って、彼は頼られているのだ。
子供達だけではない。あの家出人達だって、喧嘩っ早い白人達だって、ユーズには一目置いている。あの一癖も二癖もある(自分だって人のことは言えないけれど)メンバー達をまとめあげ、楽しめる空間を作り上げているのは、彼の力だ。

たまに嫌になるくらい鋭いあいつは。
意外と辺りに目を配っていて、他のことには気づくのに。

この想いにだけ、気づいてくれない。

「……でも、子供っぽいところも結局、師匠の魅力になっちゃってるからね」
「……そうなのよね」
識の言葉に、大きく一つため息を返した。多分きっと自分の中で、答えは既に出ていたのだろう。
結局は好きになったほうが負け。そんな陳腐な言葉で。

(子供っぽいのは私のほうじゃない)

「……私、識のこと好きになればよかったわ」

ぽつりと呟いた言葉に識が目を丸くしたのを見て、ナイアはくすくす笑ってカクテルのグラスに口づけた。



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新アルカ一回目の辺りのお話。結局はユーズ大好きコンビです。
ナイアは香港っ子なので外人って言葉は使わないだろうと思ったのですが、あいつらを白人と呼ぶのはなんか変な感じだ。
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