でぃふぇぜろにっき
弐寺に偏った日常の、ケイナさんと親友コンビに偏った記録な感じ。
2007'09.22.Sat
0;
鐘の音が聞こえる。耳障りな、大きな音。
それが聖なる鐘と呼ばれていることを、彼女は知っていた。知っていて、嘲笑っていた。
ただの音に聖も邪もあるものか。音にあるのは波の波長と、大きさ、ただそれだけだ。
それでもその音が、彼女にとって不快であることには変わりなかった。
だから、その力と感情の赴くままに、彼女は吠えた。
1;
「あ、」
「げっ」
「?」
街の定食屋に一歩入った瞬間。出来ることなら合いたくなかった人物と目があって、慧靂は凍り付いた。
「鉄火! 用事思い出した別な店行こう別なとこ!」
「慧靂に鉄火君、ちょうど良かった」
不思議そうな顔をする鉄火の手を引き、強引に店を出ようとするも既に時遅し。
「あ、識さん。お久しぶりです」
鉄火はにこやかに識に挨拶してしまう。
「食事なら一緒にどう? たまには奢ってあげるよ、つもる話もあるし。ね?」
最後の一言は明らかに自分に向けられたものだった。恐縮しつつも奢って貰う気まんまんの鉄火と、どう頑張っても口では勝てない相手、そしてその相手にこの間つくってしまった借りを順番に考えて……
「……ごちそーになります……」
慧靂は観念した。
鉄火の前には焼き魚とポトフ。慧靂の前にはパスタとポークソテー。テーブルには大皿のシーザーサラダが置かれ、おかわり自由のスープも湯気を立てている。
「あ、あのぅ……識さん……」
対する識の前には、この店で二番目に安い野菜炒め定食。明らかにおかしい状況に、おそるおそるといった感じで鉄火が問うた。
「んー?」
「ほんとにいいんですか、こんなに奢って貰っちゃって……」
「いいよいいよ、慧靂がこのまえ踏み倒したのに比べれば微々たるものだから」
「っ!?」
にこやかな爆弾発言に鉄火の顔色がさっと変わった。地獄から連れてきたような迫力を背負って、慧靂をにらみつける。
「え~れ~き~?」
「いやあのだってあの時持ち合わせなかったし護衛の出発すぐだったし識さんだし」
「言い訳無用っ!」
引きつりながら慌てて言い訳を口走るが、すぐに髪の毛をひっつかまれてテーブルの上に伏せさせられた。ごつんっ、と凄い音が頭蓋骨に響いて、目の前に星が散る。
「識さん、ほんっとすみませんでした。こいつには俺からよーーーーく言っておきますんで」
平身低頭。平謝りする鉄火に、識は笑いかけた。
「いいよいいよ。それより一つ、受けて欲しい依頼があるんだけれどいいかな」
「はいっ! もう俺たちに出来ることならなんでも、喜んで!!」
……こうなることがわかっていて何で自分はあんなことをしてしまったのか。
自分から罠に飛び込むと言うよりむしろ、罠をはる手伝いをしてしまった自分に、慧靂は泣きたい気持ちになった。
とりあえずここまで。
EDENの物語が始まる前、慧靂と鉄火が流れの何でも屋をしていた頃の話。
スレイヤーズすぺしゃるやオーフェンの無謀編のようなものだと思っていただければ間違いない。
識は軍(平和なので軍隊と言うよりは自警団に近い)のお偉いさんでセリカのお目付役です。
そしてサブタイトルやら地名やらが思いつかない。地名は無いと不便になるまでは考えないです。
鐘の音が聞こえる。耳障りな、大きな音。
それが聖なる鐘と呼ばれていることを、彼女は知っていた。知っていて、嘲笑っていた。
ただの音に聖も邪もあるものか。音にあるのは波の波長と、大きさ、ただそれだけだ。
それでもその音が、彼女にとって不快であることには変わりなかった。
だから、その力と感情の赴くままに、彼女は吠えた。
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「あ、」
「げっ」
「?」
街の定食屋に一歩入った瞬間。出来ることなら合いたくなかった人物と目があって、慧靂は凍り付いた。
「鉄火! 用事思い出した別な店行こう別なとこ!」
「慧靂に鉄火君、ちょうど良かった」
不思議そうな顔をする鉄火の手を引き、強引に店を出ようとするも既に時遅し。
「あ、識さん。お久しぶりです」
鉄火はにこやかに識に挨拶してしまう。
「食事なら一緒にどう? たまには奢ってあげるよ、つもる話もあるし。ね?」
最後の一言は明らかに自分に向けられたものだった。恐縮しつつも奢って貰う気まんまんの鉄火と、どう頑張っても口では勝てない相手、そしてその相手にこの間つくってしまった借りを順番に考えて……
「……ごちそーになります……」
慧靂は観念した。
鉄火の前には焼き魚とポトフ。慧靂の前にはパスタとポークソテー。テーブルには大皿のシーザーサラダが置かれ、おかわり自由のスープも湯気を立てている。
「あ、あのぅ……識さん……」
対する識の前には、この店で二番目に安い野菜炒め定食。明らかにおかしい状況に、おそるおそるといった感じで鉄火が問うた。
「んー?」
「ほんとにいいんですか、こんなに奢って貰っちゃって……」
「いいよいいよ、慧靂がこのまえ踏み倒したのに比べれば微々たるものだから」
「っ!?」
にこやかな爆弾発言に鉄火の顔色がさっと変わった。地獄から連れてきたような迫力を背負って、慧靂をにらみつける。
「え~れ~き~?」
「いやあのだってあの時持ち合わせなかったし護衛の出発すぐだったし識さんだし」
「言い訳無用っ!」
引きつりながら慌てて言い訳を口走るが、すぐに髪の毛をひっつかまれてテーブルの上に伏せさせられた。ごつんっ、と凄い音が頭蓋骨に響いて、目の前に星が散る。
「識さん、ほんっとすみませんでした。こいつには俺からよーーーーく言っておきますんで」
平身低頭。平謝りする鉄火に、識は笑いかけた。
「いいよいいよ。それより一つ、受けて欲しい依頼があるんだけれどいいかな」
「はいっ! もう俺たちに出来ることならなんでも、喜んで!!」
……こうなることがわかっていて何で自分はあんなことをしてしまったのか。
自分から罠に飛び込むと言うよりむしろ、罠をはる手伝いをしてしまった自分に、慧靂は泣きたい気持ちになった。
とりあえずここまで。
EDENの物語が始まる前、慧靂と鉄火が流れの何でも屋をしていた頃の話。
スレイヤーズすぺしゃるやオーフェンの無謀編のようなものだと思っていただければ間違いない。
識は軍(平和なので軍隊と言うよりは自警団に近い)のお偉いさんでセリカのお目付役です。
そしてサブタイトルやら地名やらが思いつかない。地名は無いと不便になるまでは考えないです。
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