プラススパイス

ジルケイ？

「ナツメグが二瓶、バジルとオレガノとマジョラムが一瓶ずつ。ローズマリーのホールが一袋、ペッパーミル三種類……こんだけ有ってなんで普通の塩がないんだよこの家はよ！！」
「だって普通カップ麺にも納豆にも塩なんて足さんやろ」
「じゃあお前は納豆にローズマリーを入れるのかこの屁理屈野郎が！」
ジルチの至極真っ当なツッコミを、かつて一度数週間だけ料理が趣味だったことのあるケイナは素知らぬふりでやり過ごし、夕飯の卵かけご飯とサプリメントと野菜ジュースに手を伸ばそうとして……殴られた。
その後ケイナの家にはジルチの手によって順調に調味料が揃えられていき、香りの飛びかけた香辛料も順調に消費されていくこととなる。
後にケイナは語る。ジルチの家出人に対する世話焼きの歴史は、まさにあの瞬間始まったのだと。





ジルチは生活能力のない家出人ｓ（ケイナ、士朗、慧靂）のご飯係だと思います。
自力で餌をねだったり取ってきたり出来る兄弟には厳しいけれど、パソコンに向かうと何もかもを忘れそうなケイナには甘い（というか恐くて放置していられない）
文体は読んだものにすぐに影響されるのでいつもと少し違う感じ。