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でぃふぇぜろにっき

弐寺に偏った日常の、ケイナさんと親友コンビに偏った記録な感じ。

2025'07.05.Sat
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2007'05.19.Sat
甘く苦い頽廃の蜜をミルクティーにしのばせて。

ケイナ+ツガル
(掛け算にしか見えないと思いますが)

レースのカーテン越しに、午後の日差しが柔らかく揺れる。ローテーブルの上には色も形も様々な、たくさんのケーキたち。
「ツガちゃん、おいで」
足を投げ出して座って、背後の本棚に身体を預け、ケイナはツガルを呼ぶ。
ぽんぽんと自分の膝の上を叩いて示してやれば、ツガルは恥ずかしそうに笑って、それでも素直にケイナの膝の上へとおさまった。
「つかまえた」
「きゃっ」
後ろから抱きすくめてやれば、ひどく幸せそうにくすくすと笑う。こみあげる愛しさのままに、頭を撫でてやる。
「どれから食べたい?」
「じゃぁ、木イチゴの」
「ん、りょーかいしました、お姫様」
金細工のような繊細なフォークを優雅に操り、ケイナは木イチゴのタルトをすくってツガルの口へと運ぶ。
「あーん」
赤い実に透明な甘いゼリー、金色のフォークが光に映えてきらきらと、まるで宝石のようだ。
そして、それを食べるツガルのくちびるも。
「おいし?」
ケイナの問いに、砂糖菓子の笑みでツガルはうなずく。
「次はどれがええ?」
「チョコレート。ケイナさんも食べて?」
「えぇの? じゃあ、イタダキマス」
ココアの香り。甘いケーキと、柔らかな日差しと、大好きな人の体温と。
幸せはここにあって、そしてきっと、ここにしかない。





jamais terre 001










jamais terre=ネバーランド
ツガルを甘やかすケイナと、甘やかされてあげるツガル。
そこにあるのは恋愛感情か、過去の自分への憐憫か。
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