でぃふぇぜろにっき
弐寺に偏った日常の、ケイナさんと親友コンビに偏った記録な感じ。
2007'06.05.Tue
捏造パラサイトワールド。のんびりお祭りを楽しむ慧靂と鉄火。
二人が暗殺者でユーズが大ボス設定ですので、ワルイコな二人がオッケーな方のみ進んでください。
二人が暗殺者でユーズが大ボス設定ですので、ワルイコな二人がオッケーな方のみ進んでください。
音の割れた祭囃子。電球をともした提灯。ひらひらと舞う化繊の布飾り。
浴衣を着るにはまだ早い、初夏の祭りの喧噪の中。人の流れに逆らわず、慧靂と鉄火はそぞろに歩く。
「くーっ、やっぱ祭りって言ったらこれだよなー!」
右手にストロースプーンと牛串、左手に本日三個目のかき氷を持った慧靂は満面の笑みで、食べ合わせの悪そうなそれらを交互にぱくつく。
「慧靂……お前そろそろ腹壊すぞ……」
見ているだけで胸焼けがするとうめく鉄火は対照的に、スーパーボールの入った袋(それも慧靂が取った物だ)を一つ下げただけの姿だ。
祭りは好きだが、それは主に作り手側としてのこと。出店を並べるだけが目的のような小さな祭りは、どうしてもつまらなく感じてしまう。
「あー、うまかった!」
鉄火が浅草の祭りに思いをはせているうちに、慧靂は特盛りかき氷を食べ終わったようだった。
「なぁ、次はどれがいいと思う?」
「……慧靂……まだ食うのかよ……」
「全種制覇は基本だって基本。お前も食わなきゃ大きくなれねーぞ」
「……これ以上伸びるとまたユーズさんの機嫌が悪くなるからいい」
「ははっ、なんだよそれ!」
慧靂は吹き出すが、笑い事ではないのだ。
変なところで理不尽な、尊敬する上司のことを思い出し、鉄火はため息をついた。
「じゃあ、身長伸びなさそうなやつにしようぜ」
そう快活に笑った慧靂の周囲の空気が歪んだことに、誰が気づいただろう。
風にすら吹く暇を与えずに、次の瞬間慧靂は三本のりんご飴を手にしていた。
「慧靂!」
声を荒らげ、鉄火が鋭くとがめる。
「だって並ぶのめんどーじゃん」
慧靂は悪びれた様子もなく笑った。
「だからって、」
「誰かに気づかれるようなへまはしてないって」
慧靂と、その後ろの存在がニヤリと笑ったのが"見えた"。
「俺の"獣"にこの人混み、捕捉できるわけがないだろ?」
"獣"。それは具現化した精神の歪みであり、欲望に寄生するモノ。
それは弱い人間を操り喰らい、そして強い人間に使役される。
慧靂の獣である"狐"はその素早さにおいて他の追随を許さず、また、狐火の能力によって高い戦闘力を誇る。鉄火の知る内でも最強の獣の一体であるが、その分行動の際に世界に落とす波紋も大きい。
その上、"獣憑き"の間では、裏社会の覇権を巡って血みどろの争いが行われている。三強の一人、ユーズに仕える暗殺者である自分たちには敵も多い。様々な感情が渦巻き、獣が紛れやすくなる人混みの中とはいえ、軽率な真似はすべきではないのだ。
「……ったく、わかったよ」
その辺のことは慧靂もわかっている筈だ、と睨み続けていると、ようやく悪いと思ったのか慧靂がため息をついた。
「次からはちゃんと並ぶって。ゴミ捨ても自分で行く。それでいーんだろ」
「そうそう。つーか当然のことだって」
「ったく、かてーよなお前」
「いや、だから……」
これではどっちが年上やら。苦笑した鉄火の脇で、ポケットを探っていた慧靂がうめいた。
「やっべ、払う金額間違えた」
そして再び歪む空気と、慧靂の手から消える数枚の百円玉。
「えーれーきー」
今度こそ声に殺気を滲ませた鉄火に、慧靂はらしくなく慌てふためいた。
「だ、だからって無銭飲食よりマシだろ、つーかえーと、……あーもーっ、お前も共犯! 口封じ!」
「むぐっ!?」
いきなり口に何かをつっこまれ、同時に強く手を引かれて鉄火は目を白黒させる。
それが先ほどのりんご飴だと気づいたときには、慧靂に引かれて二、三歩進んでいた。
「甘……共犯ってこういうことかよ……」
「そーゆーこと。次クレープな。あそこ待ち時間ひどいんだから覚悟しろよ!」
イチゴとメロンとブルーハワイのかき氷で、黒くなった舌で慧靂は笑う。
「ったく……」
それを見てなんだかどうでも良くなって、鉄火はごまかされてやることにした。
「しょーがねーやつ!」
「んぁ? 何か言ったか?」
「何も。俺もクレープ食おうかな」
「おっ、珍しいじゃん。トッピング何にする?」
「うーんと……」
「俺は全部乗せ行くぜ! お前もそうしろよ」
「……それは流石に、なんつーかその、やめようぜ……」
背もたれ代わりの小さな鳥居、子供の歓声、水と食べ物と砂利の匂い。
一夜限りの祭りはにぎやかに、何もかもを飲み込んで続いていく。
捏造パラサイトワールド。
"獣"は式神とかスタンドとか悪魔とかそういうものです。(ジョジョ知らないからスタンドは違うかも)
Dクラに影響受けまくってますがDクラの悪魔とはまた違う感じで。
見える人には見えます。見えない人も、頭ぶつけたりドラッグで頭ん中壊したり獣に憑かれて素質があったりすると見えるようになります。でも慧靂の狐さんは無茶苦茶素早いので何やったかは見える人にも見えないし、そもそも見える人は周りに獣が居すぎるので気にしてません。
ユーズがどこか壊れてて、それに育てられた慧靂と鉄火が悪い子で、ケイナさんが病んでてダルツガが大人に反抗してて、セムさんがいつも通りリリス命な、そんなお話です。つまるところは趣味暴走!
そしてクレープ屋さんは注文を受けてからトッピングをするので並ぶのは回避できないと思うのですが二人とも本気で気づいてません。(鉄火は帰ってから気づく) 頭がいいのに馬鹿な子二人。
ここまで読んでいただいてありがとうございました!
浴衣を着るにはまだ早い、初夏の祭りの喧噪の中。人の流れに逆らわず、慧靂と鉄火はそぞろに歩く。
「くーっ、やっぱ祭りって言ったらこれだよなー!」
右手にストロースプーンと牛串、左手に本日三個目のかき氷を持った慧靂は満面の笑みで、食べ合わせの悪そうなそれらを交互にぱくつく。
「慧靂……お前そろそろ腹壊すぞ……」
見ているだけで胸焼けがするとうめく鉄火は対照的に、スーパーボールの入った袋(それも慧靂が取った物だ)を一つ下げただけの姿だ。
祭りは好きだが、それは主に作り手側としてのこと。出店を並べるだけが目的のような小さな祭りは、どうしてもつまらなく感じてしまう。
「あー、うまかった!」
鉄火が浅草の祭りに思いをはせているうちに、慧靂は特盛りかき氷を食べ終わったようだった。
「なぁ、次はどれがいいと思う?」
「……慧靂……まだ食うのかよ……」
「全種制覇は基本だって基本。お前も食わなきゃ大きくなれねーぞ」
「……これ以上伸びるとまたユーズさんの機嫌が悪くなるからいい」
「ははっ、なんだよそれ!」
慧靂は吹き出すが、笑い事ではないのだ。
変なところで理不尽な、尊敬する上司のことを思い出し、鉄火はため息をついた。
「じゃあ、身長伸びなさそうなやつにしようぜ」
そう快活に笑った慧靂の周囲の空気が歪んだことに、誰が気づいただろう。
風にすら吹く暇を与えずに、次の瞬間慧靂は三本のりんご飴を手にしていた。
「慧靂!」
声を荒らげ、鉄火が鋭くとがめる。
「だって並ぶのめんどーじゃん」
慧靂は悪びれた様子もなく笑った。
「だからって、」
「誰かに気づかれるようなへまはしてないって」
慧靂と、その後ろの存在がニヤリと笑ったのが"見えた"。
「俺の"獣"にこの人混み、捕捉できるわけがないだろ?」
"獣"。それは具現化した精神の歪みであり、欲望に寄生するモノ。
それは弱い人間を操り喰らい、そして強い人間に使役される。
慧靂の獣である"狐"はその素早さにおいて他の追随を許さず、また、狐火の能力によって高い戦闘力を誇る。鉄火の知る内でも最強の獣の一体であるが、その分行動の際に世界に落とす波紋も大きい。
その上、"獣憑き"の間では、裏社会の覇権を巡って血みどろの争いが行われている。三強の一人、ユーズに仕える暗殺者である自分たちには敵も多い。様々な感情が渦巻き、獣が紛れやすくなる人混みの中とはいえ、軽率な真似はすべきではないのだ。
「……ったく、わかったよ」
その辺のことは慧靂もわかっている筈だ、と睨み続けていると、ようやく悪いと思ったのか慧靂がため息をついた。
「次からはちゃんと並ぶって。ゴミ捨ても自分で行く。それでいーんだろ」
「そうそう。つーか当然のことだって」
「ったく、かてーよなお前」
「いや、だから……」
これではどっちが年上やら。苦笑した鉄火の脇で、ポケットを探っていた慧靂がうめいた。
「やっべ、払う金額間違えた」
そして再び歪む空気と、慧靂の手から消える数枚の百円玉。
「えーれーきー」
今度こそ声に殺気を滲ませた鉄火に、慧靂はらしくなく慌てふためいた。
「だ、だからって無銭飲食よりマシだろ、つーかえーと、……あーもーっ、お前も共犯! 口封じ!」
「むぐっ!?」
いきなり口に何かをつっこまれ、同時に強く手を引かれて鉄火は目を白黒させる。
それが先ほどのりんご飴だと気づいたときには、慧靂に引かれて二、三歩進んでいた。
「甘……共犯ってこういうことかよ……」
「そーゆーこと。次クレープな。あそこ待ち時間ひどいんだから覚悟しろよ!」
イチゴとメロンとブルーハワイのかき氷で、黒くなった舌で慧靂は笑う。
「ったく……」
それを見てなんだかどうでも良くなって、鉄火はごまかされてやることにした。
「しょーがねーやつ!」
「んぁ? 何か言ったか?」
「何も。俺もクレープ食おうかな」
「おっ、珍しいじゃん。トッピング何にする?」
「うーんと……」
「俺は全部乗せ行くぜ! お前もそうしろよ」
「……それは流石に、なんつーかその、やめようぜ……」
背もたれ代わりの小さな鳥居、子供の歓声、水と食べ物と砂利の匂い。
一夜限りの祭りはにぎやかに、何もかもを飲み込んで続いていく。
捏造パラサイトワールド。
"獣"は式神とかスタンドとか悪魔とかそういうものです。(ジョジョ知らないからスタンドは違うかも)
Dクラに影響受けまくってますがDクラの悪魔とはまた違う感じで。
見える人には見えます。見えない人も、頭ぶつけたりドラッグで頭ん中壊したり獣に憑かれて素質があったりすると見えるようになります。でも慧靂の狐さんは無茶苦茶素早いので何やったかは見える人にも見えないし、そもそも見える人は周りに獣が居すぎるので気にしてません。
ユーズがどこか壊れてて、それに育てられた慧靂と鉄火が悪い子で、ケイナさんが病んでてダルツガが大人に反抗してて、セムさんがいつも通りリリス命な、そんなお話です。つまるところは趣味暴走!
そしてクレープ屋さんは注文を受けてからトッピングをするので並ぶのは回避できないと思うのですが二人とも本気で気づいてません。(鉄火は帰ってから気づく) 頭がいいのに馬鹿な子二人。
ここまで読んでいただいてありがとうございました!
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